こんにちは歯科医師の高柳です
今回は、上顎臼歯遠心移動装置のひとつで当院で最も使用している装置
”Carriele Motion”(カリエールモーション) について説明していきます。
まず、上顎の臼歯遠心移動がなぜ必要なのかですが、
正常咬合と呼ばれれる咬み合わせは、一歯対二歯の咬合様式です。
では出歯はどういうのかというと、一歯対一歯の咬合様式です。
一歯対一歯の咬合様式を正常な位置にする為に上顎を遠心移動させます。
Carriele Motion の特徴は とてもシンプルで短期間で(個人差あり) 遠心移動を行うことができる点です。
- Fig01:
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上顎第1大臼歯のローテーション補正とアップライトをします。
アップライトとは、歯が手前に倒れているのを立たせてあげることです。
- Fig02:
- 上顎第1大臼歯の遠心移動とローテーションコントロールにより上顎犬歯をⅠ級関係に導きます。
- Fig03:
- 上顎第1大臼歯の近心ローテーションは犬歯のⅠ級関係に影響を及ぼします。
Fig04:
- 犬歯から大臼歯、小臼歯から大臼歯を一塊として歯体移動します。
一般的に出歯と呼ばれている咬み合わせは、上顎第一大臼歯(6歳臼歯)が近心に捻転(ローテーション)しています。
まずこれを遠心に回転させることにより第一大臼歯を正常な咬み合わせ(classⅠ と言います)にしていきます。
その時、犬歯ないし小臼歯がひとかたまりで遠心に移動していきます。
この一連の動きを Carriele Motion のみで行っていきます。
この装置をつけるだけで遠心移動するわけではありません。
この装置は、前から3番目の歯と6番目の歯につきます。
3番目の歯のところがフックになっていて、さらに下の奥歯に装置をつけて上下でゴムをかけます。
ゴムをかけることによって上の奥歯を後ろに下げる力がかかります。
こうして遠心移動を行います。
歯を抜かずに上顎前突を治す時、奥歯の遠心移動は必須です。
しかし抜かないと治せない時もあります。
ご自身の歯並びが歯を抜かずに治せるのか気になる方はぜひカウンセリングへ