こんにちはsmiley

今回は過蓋咬合の治療の際に必要なアタッチメントについて説明していきたいと思います。

おさらい
過蓋咬合で重要な歯の移動は・・・

前歯の圧下奥歯の挺出です。

挺出移動は、アライナーが挺出する力を加えられる面が歯牙にない移動の一例です。
例えば、歯を内側に入れたければ外側から歯を押せば動きます。
歯を骨の中に沈みこませたければ(圧下)咬む面から押せば動きます。
しかし挺出させたければ根っこ側から押す力が必要ですが、
根っこは骨に埋まっているので押す事が出来ません。

そこで、挺出の方向にアライナーのフォース(力)が加わるように、
歯の表面に人工物を設置しなければなりません。
この歯の表面の人工物をアタッチメントと呼びます。(下図)

 過蓋咬合用最適アタッチメント(小臼歯挺出)

アタッチメントのデザインはすべて「アクティブサーフェス」という平らな面になっていて、
そこにアライナーのフォースが働きます。
アタッチメントのアクティブサーフェスは一つのアタッチメントに対して一つしかない重要な平面です。
この平面がアライナーと咬み合います。
アタッチメントの残りの部分は、アクティブサーフェスを定位置に固定するためだけに存在しています。

一方、アライナーは、アタッチメントの他の面との接触が緩和されるよう設計させます。
そうすることで、歯牙の特定の場所に、特定方向のフォースを加えることができます。

アタッチメントといっても、いろんなアタッチメントがあります。
上図のアタッチメントは過蓋咬合を治すための小臼歯部(前から4番目と5番目の歯)につく最適アタッチメントです。
青の矢印の方向に力が加わると、アライナーは真ん中から突き上げられます。
そうするとその反作用で前歯に下方向の力(緑の矢印)が加わります。(圧下)

つまりこの最適アタッチメントは、「臼歯部の挺出」と「前歯の圧下」両方に作用してくれます。

過蓋咬合を治すだけでもいろんな機能が出てきましたね。
プレッシャーポイント・バイトランプ・小臼歯部の挺出用アタッチメント
この機能は最初から備わっていたわけではありません。
研究を重ね、インビザライン の弱点を見つけ、それを限りなくゼロにするために
インビザラインも成長してきました。
私たち矯正科医も一緒に成長して行かなければ・・・

次回もアタッチメントの説明をしていきます。

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