こんにちは。
今回のブログは久しぶりに舌側矯正の症例をお見せしたいと思います。
当院の舌側矯正で使用する装置は、フルオーダーメイドの「インコグニト」です。
ゴールドで作製されているためニッケルアレルギーの心配がなく、
薄くて違和感が少ないのが特徴です。
患者様は、19歳男の子です。
主訴は、「前歯が出ている」「咬み合わせ」でした。
初診時のお口の中のお写真です。
上下ともに前歯にがたつきがあります。
特に上の2番目の歯は下の歯よりも内側にあります。
奥歯の咬み合わせは1歯対2歯の関係なので良いですが、
上下とも前歯の傾斜がきつく口元が出ています。
診断:上下顎前突(出っ歯)・前歯部叢生(まえばのがたつき)
患者様は裏側矯正を希望されていたので
裏側矯正のメリット・デメリットを説明し、
上下左右第一小臼歯の抜歯が必要なことも説明し、
上が舌側矯正(インコグニト)、下が表側矯正(マルチブラケット)の
ハーフリンガルで治療していくことにしました。
まずインコグニトはドイツで作製されるため注文してから9週間かかります。
診断から9週間後、まず上の奥歯に装置をつけました。
下から始めとけばいいじゃないかと思われるかも知れませんが、
下から始めると下の方が早く並ぶため下の装置をつけている期間が長くなってしまいます。
上下顎前突の患者様は下の前歯の傾斜もきついため先に下から始めると
受け口気味になってしまうことがあります。
また下を先に始めると下の歯が動くと上の歯も少しずつ動いていきます。
上の装置をつける時一塊にして装置をつけるので歯が動いていると微妙に装置の位置がずれてしまいます。
という理由から舌側矯正は基本的には上から装置をつけていきます。
奥歯に装置をつけた時上の第一小臼歯の歯と歯の間にセパレーションという小さいゴムを入れました。
このゴムが唾液を吸って少し大きくなると歯と歯の間に隙間ができ、
歯を抜きやすくしてくれます。
1週間後上の歯を2本抜きました。
またその1週間後上の前歯に装置をつけてワイヤーを通しました。
その後は1ヶ月ごとに来院していただきました。
下の歯は3ヶ月後に抜歯しました。
下の歯にも装置をつけてまた1ヶ月おきに調整のため来院していただきました。
上の装置のお写真です。
装置を外した時のお写真です。
矯正にかかった期間は、3年です。
保定期間中は上に日中プレスリテーナー(マウスピース)、就寝中サーカムリテーナーを装着していただいています。
矯正費用
検査料:40,000円(税抜)
基本施術料:900,000円(税抜)
調整料:4,000円(税抜)
保定料:40,000円(税抜)
※現在の料金とは異なる場合がございます
ぜひ無料カウンセリングにお越しください。
TEL:0566-73-0311
https://gototatsuya.com/onlinecounseling/
リスク・デメリットについて
・矯正調整後、歯の痛みが生じることがあります。基本的には一時的なものなので数日で慣れてきます。
・歯肉、頬及び唇に、矯正装置による擦り傷または痛みが生じる場合があります。当院では痛みを軽減できるワックスを渡しています。
・患者様が飲食後適切に歯磨及びフロス等の補助器具を行なわなかった場合、 虫歯・歯周病・歯肉炎・脱灰等が生じる可能性があります。当院では矯正の途中で虫歯ができた場合他院様を紹介させていただきます。
・矯正装置装着により一時的に発音に影響を与える場合があります。
・咬合状態が治療過程全体を通して変化する場合があり、結果として患者様に一時的な不快感を与える可能性があります。
・矯正治療の最終段階で、咬合調整が必要となる場合があります。
・長期間にわたって重なっていた歯は、歯間接触下部の歯肉組織が失われている場合があり、歯列矯正を行うことで、「ブラックトライアングル」が発生する可能性があります。
・矯正治療中、歯根の長さが短くなる場合がありますが、臨床的に問題ないことがほとんどです。
・矯正中、歯の移動に伴い稀に歯の神経が壊死することがあります。その際歯内治療もしくは追加的な補綴修復処置等の追加的な歯科治療が必要となる可能性があります。
・稀に、治療中または治療後、顎関節に問題が生じる場合があり、それによって関節痛、頭痛または耳の障害が生じる場合があります。これらの症状と矯正治療との関係ははっきりしていません。
・稀に、金属・レジン等にアレルギー反応が発現する場合があります。