やわらかく、目立ちにくいマウスピースをつけ、歯並びを整えていく「インビザライン」。

インビザラインでは、矯正中、1日20時間以上のマウスピースの装着が必須です。

1日20時間以上、と聞き、患者様によっては、

「1日19時間ならギリギリセーフ?」 「ちょっとマウスピースをつけなかったときと、ほぼほぼつけなかったときでは、どう違うの?」

そんな風に考える方もいらっしゃるかもしれません。

はたして、インビザライン矯正でマウスピースの装着時間を守らなかった場合は、どうなるのでしょうか?ちょっとつけなかったとき、ほぼほぼつけなかったときで、影響の仕方が違ってくるのでしょうか?疑問は尽きないですよね。

そこで今回は、「インビザライン マウスピースの装着時間を守らなかったときに起こり得る悪影響」および「マウスピースの装着時間を守らなかった場合の対処方法」をご紹介します。

■マウスピースの装着時間を守らなかったときに起こり得る悪影響


◎定められたマウスピースの装着時間を守らないと、様々な悪影響が起きやすくなります


インビザラインを含め、マウスピース矯正では、マウスピースを装着することで、少しずつ歯が動き、歯並びが整っていきます。

1日20時間以上という、定められたマウスピースの装着時間を守らないと、以下のような、様々な悪影響が起きやすくなります。

悪影響その①治療計画どおりに歯が動かず、矯正の効果が薄れる


定められたマウスピースの装着時間を守らなかった場合、治療計画どおりに歯が動かず、矯正の効果が薄れる可能性があります。装着時間が大幅に不足しているなど、ケースによっては、歯並びの乱れがほとんど改善されないおそれも。

悪影響その②歯並びの後戻りが起きやすくなる


定められたマウスピースの装着時間を守らなかった場合、マウスピースで歯に力をかける時間が減り、歯並びの後戻りが起きやすくなります。

大きな後戻りが起きた場合、最初から、矯正治療をやり直さなければならなくなるケースもあります。

■マウスピースの装着時間を守らなかった場合の対処方法


対処方法①治療計画の変更 または インビザライン矯正を最初からやり直す(遅れが取り戻せない場合or歯並びの後戻りが大きい場合)


マウスピースの装着時間を守れず、治療計画どおりに歯が動いてないときは、治療計画を変更することで、現在の歯並びの状態に合わせて矯正をリスタートできる可能性があります。

なお、あまりにも装着時間が足りていない場合や、装着時間の不足による歯並びの後戻りが大きい場合は、インビザライン矯正を最初からやり直さなければならなくなるケースも。

治療計画の変更に伴い、インビザライン矯正を最初からやり直す場合の費用は、原則として、患者様のご負担になることが多いです(※)。

(※)インビザラインのプランや、歯が動かない理由(患者様側の

要素以外に起因するもの)によっては、治療計画の変更の

際の追加費用の負担割合が軽減されるケースもあります。



対処方法②1枚あたりのマウスピースの装着日数を延ばし、遅れた分の歯の動きを取り戻す


マウスピースの装着時間を守れず、治療計画どおりに歯が動いてないときでも、ケースによっては、治療計画の変更や矯正のやり直しが必要になるほどの大きな遅れではない場合もあります。

歯の動きが遅れているものの、治療計画の変更や矯正のやり直しが必要になるほどではないときは、1枚あたりのマウスピースの装着日数を延ばし、対処を試みる場合も。

通常、インビザライン矯正では、1枚あたりのマウスピースの装着日数は1~2週間前後です。この日数を1枚あたり2週間以上などに延ばすことで、遅れた分の歯の動きを取り戻す対処方法もあります。

■インビザライン矯正中、マウスピースの装着時間を守るためのポイント


ポイント①食事と歯磨き以外は、マウスピースを装着する


1日20時間以上、と時間で考えると、「そんなに長い時間、マウスピースをつけなきゃならないのか…」とウンザリしてしまうかもしれません。

時間で考えるのではなく、インビザライン矯正中のマウスピースの装着は、毎日の“ルーティーン”“習慣”と認識しましょう。

インビザライン矯正中、食事と歯磨き以外は、毎日のルーティーン・習慣としてマウスピースを装着することで、1日20時間以上という条件を自然とクリアしやすくなります。

ポイント②スマホのリマインダーやアラーム機能を活用する


インビザライン矯正中、意外と起きやすいミスが、食後や歯磨きの後のマウスピースのつけ忘れです。食事のあと、歯磨きをしてマウスピースを洗ったまでは良かったものの、うっかり、マウスピースをつけ忘れてしまうことも。

マウスピースのつけ忘れを防ぐ方法としては、スマホのリマインダーアプリやアラーム機能を活用するのがおすすめです。食事を始める時、または、決まった時間に食事を取る方はその時間に合わせてスマホのリマインダーやアラームをセットすることで、マウスピースのつけ忘れを防ぎやすくなります。

【矯正を成功に導くために、定められたマウスピースの装着時間を守りましょう】


インビザライン矯正中は、1日20時間以上のマウスピースの装着が必要です。患者様によっては、めんどくさい、と感じることもあるかと思います。

めんどくさく、ストレスを感じることもあるかと思いますが、インビザライン矯正におけるマウスピースの装着は、その1日1日すべてが、「理想の歯並び」へとつながる道のりです。

矯正が進むにつれ、毎日の生活の中での“当たり前のこと”としてルーティーン・習慣化できると、マウスピースの装着で感じるストレスも減っていきます。

矯正を成功に導くために、インビザライン矯正中は、定められたマウスピースの装着時間を守りましょう。
後藤達也矯正歯科

歯科医師


⇒院長の経歴はこちら