「歯の矯正中だけど、引っ越しでクリニックを変えなきゃ…」 「矯正中、クリニックは変えられる?これまでに払った矯正費はどうなるの?」
矯正中の転院、何かと、ご不安なことも多いですよね。
早くても数ヶ月~、重度の歯並びの乱れでは3年以上など、歯科矯正は長い治療期間がかかります。
長い矯正期間中には、引っ越しなどで転院しなければならなくなるケースもあるかもしれません。
歯科矯正中に転院する場合は、様々な注意点があります。注意点に従わず、正式な手続きを踏まずに転院してしまうと、治療内容を適切に引き継げないおそれも。
今回は、「歯科矯正中の転院における注意点」について、ご説明します。
目次
■歯科矯正中の転院はどんな流れで進めていくの?
歯科矯正中、転院する場合は、以下のように転院を進めていくのが基本の流れになります。
①転院先のクリニックを選ぶ
歯科矯正中の転院において、もっとも重要なのが、転院先のクリニック選びです。
転院する際は、以下のようなポイントを見極め、慎重に転院先のクリニックを選びましょう。
[クリニック選びのポイント]
- ・歯科矯正を行っていること
- ・現在の矯正方式と同じ方式で矯正を行っていること
(ブラケット矯正(表側・裏側・ハーフリンガルなど)、マウスピース矯正(インビザラインなど))
(マウスピース矯正の場合、転院先は同じ矯正ブランドを取り扱っているクリニックがオススメです) - ・矯正費用
- ・通いやすさ
②現在のクリニックの担当の歯科医師に、転院する旨を伝える
転院先のクリニックが決まったら、現在のクリニックの担当の歯科医師に、転院する旨を伝えましょう。
転院の際は、転院先のクリニックの名称・住所・電話番号・HPアドレスなど、詳細を伝えてください。
詳細を伝えた後は、担当の歯科医師から、これまでの矯正治療の診療データを渡してもらいましょう。診療データは、転院先のクリニックで矯正治療を引き継ぐ際に必要になります。
マウスピース矯正のインビザラインなど、矯正方式やクリニックによっては、オンラインで診療データの引き継ぎを進める場合もあります。
③診療データを持参し、転院先のクリニックで診察を受ける
転院元のクリニックから出してもらった診療データを持参し、転院先のクリニックにて、転院したい旨を伝え、診察を受けましょう。以降は、転院先のクリニックで矯正を進めていきます。
■矯正の転院で留意していただきたいこと
◎矯正の転院は「前のクリニックの治療内容をそのまま引き継ぐ」訳ではありません
矯正中の転院において留意していただきたいのが、矯正の転院は「前のクリニックの治療内容をそのまま引き継ぐ」訳ではない、という点です。
転院におけるクリニック間の引き継ぎの目的は、あくまでも、転院先のクリニックでスムーズに矯正治療を進めやすくすること。
歯科矯正は複雑な歯科治療であり、クリニック・歯科医師ごとに治療方針が異なります。
マウスピース矯正(転院元)→ブラケット矯正(転院先)など、ケースによっては、転院先のクリニックで、異なる矯正方式で矯正を進める(or患者様にご提案する)ことも珍しくありません。
■矯正中の転院で、これまでに払った費用はどうなるの?転院先のクリニックでかかる矯正の費用は?
◎矯正方法や矯正ブランド、および、クリニックによって返金割合が異なります
矯正中の転院において、これまでに払った費用の返金については、矯正方法や矯正ブランド、および、クリニックによって返金割合が異なります。
例: <日本矯正歯科学会が規定する、ブラケット矯正の転院における患者様への返金割合(目安額)(成人矯正の場合)>
矯正の進み具合 | 返金割合(目安額) |
前歯の移動中 | 60~70%程度 |
犬歯の移動中 | 40~60%程度 |
前歯のすき間を狭めている段階 | 30~40%程度 |
仕上げ段階 | 20~30%程度 |
保定期間中 | 0~5%程度 |
(※)現在のクリニック(転院元のクリニック)にすべての
矯正費を払っている場合の返金割合です。
なお、上記はあくまでも、日本矯正歯科学会が「目安」として規定している返金割合です。クリニックとの契約内容や矯正の進み具合によっては、上記の割合で返金されないケースも。
成人矯正のほか、小児矯正の場合は、日本矯正歯科学会では以下のように返金割合を規定しています。
<日本矯正歯科学会が規定する、小児矯正の転院における患者様への返金割合(目安の割合)>
- ・Ⅰ期治療(3~12歳頃まで)
①患者様の主なご希望、または、Ⅰ期治療の目標(顎の健全な成長、舌位置の正常化など)が達成されている場合、精算額(返金額)は0とする。
②患者様の主なご希望、または、Ⅰ期治療の目標(顎の健全な成長、舌位置の正常化など)が達成されていない場合、現在までの治療状況と今後予測される治療期間を考慮した上で、精算額(返金額)を決定する。
- ・Ⅰ期治療(3~12歳頃まで)&Ⅱ期治療(12歳頃~成人まで)の長期契約をしている場合
- ・Ⅰ期治療が終了している場合、精算判断の目安額は40%程度とする。
◎インビザラインの転院における、矯正費(返金、転院先でかかる矯正費)について
マウスピース矯正のインビザラインは、前述の日本矯正歯科学会がブラケット矯正において定めている返金割合に当てはまりません。
当てはまりませんが、クリニックによっては、インビザラインで転院する際、前述の日本矯正歯科学会が規定する返金割合に準じ、返金してくれるところもあります(※)。
(※)一例です。矯正方法やクリニックにより、
矯正中の転院における返金割合が異なります。
{IDの連携・引き継ぎを行った場合、転院先でかかるインビザラインの矯正費は?}
インビザラインは共通のIDシステムがあるため、オンラインで転院の引き継ぎを行えます。
インビザラインで転院する場合、オンラインによるIDの連携・引き継ぎにより、転院先では、マウスピースの製作費を差し引いた金額が矯正費として請求されるケースが多いです。
【矯正中の転院が必要なときは、ご相談ください】
後藤達也矯正歯科では、矯正中の転院(元・受け入れ)、いずれにも対応しています(※)。
(※)患者様のご希望の内容(実現が難しい、無理なご希望)や
クリニック間の引き継ぎをスムーズに進められないなど、
ケースによっては転院の受け入れをお断りする場合があります。
矯正中の転院が必要なときは、当院までご相談ください。