歯科矯正では、「IPR（アイピーアール）」と言う、歯の隣接面（歯間）をわずかに削る処置を行う場合があります。
「え～… 歯を削るなんて、大丈夫なの？」
歯を削る、と聞き、ご心配な方もいらっしゃるかもしれません。 いくら歯の矯正のためとは言え、歯を削っても大丈夫なのでしょうか？
今回は、歯の矯正で行うことがある補助処置「IPR」のご説明です。
目次
■IPRとは
◎歯の隣接面を削る補助処置です
IPR（Inter Proximal Reduction）とは、主に歯の矯正で行うことがある補助処置です。IPRは「ディスキング」「ストリッピング」とも呼ばれます。
IPRでは、機械のやすりを用い、歯の隣接面（歯間＝歯と歯のすき間：フロスを通す箇所）を削ります。
■歯の矯正では、なぜ、IPRで歯を削ることがあるの？
歯の矯正では、主に以下のような目的でIPRを行い、歯を削ることがあります。
［IPRの主な目的］
- 1.歯の隣接面を削り、歯を動かすために必要なスペースを作る
- 2.歯の横幅を揃える
- 3.歯のすき間を埋める（矯正で生じることがある前歯のすき間（▲：ブラックトライアングル）など、歯のすき間を埋めやすくするため）
■いくら矯正のためとは言え、歯を削っても大丈夫なの？
◎IPRで削る歯の量は0.2～0.3mm程度であり、知覚過敏など、歯の機能面を損なうおそれはあまりありません
歯を動かすために必要なスペース作りなど、歯の矯正で行うことがある補助処置「IPR」。
IPRは矯正の補助処置ですが、「歯を削る」と聞き、ご心配な方もいらっしゃるかもしれません。
ご心配な方もいらっしゃるかと思いますが、IPRで削る歯の量は歯の片側につき「0.2～0.3mm」程度です。 ご参考までに、歯のエナメル質は2～3mm前後の厚みがあります。
IPRで削る歯の量は、エナメル質の厚みの10分の1程度。削る歯の量は少ないため、IPRによって知覚過敏など、歯の機能面を損なうおそれはあまりありません。
｛IPRでは仕上げに歯の表面を研磨し、なめらかにします｝
IPRで歯を削った際は、仕上げに歯の表面を研磨。IPRによって生じた歯の表面のギザギザに歯垢・食べかすがつきやすくなる現象を防ぎます。
■歯の矯正でIPRを行うタイミングは？
◎歯並びの状態に応じ、適切なタイミングでIPRを行います
歯の矯正では、患者様の歯並びの状態に応じ、以下のようなタイミングでIPRを行うことがあります。
［歯の矯正でIPRを行うタイミング］
- 1.矯正装置を装着する前
- 2.矯正装置を装着後、間もない時期
- 3.矯正治療の終わり頃
■IPRは痛い？麻酔なしで歯を削るの？
◎IPRで痛みを感じることはほぼありません
歯の矯正でIPRを行い、削る歯の量は歯の片側につき0.2～0.3mm程度です。削る歯の量はごくわずかのため、IPRで痛みを感じることはほぼありません。
｛IPRでは麻酔をせずに歯を削ります｝
基本的に、IPRでは麻酔をせずに歯を削ります。麻酔をしない理由は、IPRで削る歯の量はごくわずかであり、痛みを感じることはほぼないためです。
【適切に補助処置を行うことで、歯の矯正をスムーズに進めやすくなります】
一般的には、インビザラインなどのマウスピース矯正において、IPRを行うことがあります。ただし、IPRはマウスピース矯正のみの補助処置ではありません。 非抜歯矯正では、ブラケット矯正でIPRを行うケースも。
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今回は、歯の矯正で行うことがある補助処置「IPR（ディスキング、ストリッピング）」のご説明をさせていただきました。
今後も、当院では歯の矯正に関する様々なトピックをご紹介していきます。矯正治療でご不明な点があれば、お気軽にご相談ください。
