こんにちは。
今回のブログは、『ディスキング中に歯がしみた時の対処法について』です。
まずディスキング(IPR)とは、ある目的のために歯と歯の間を薄く削ることです。(0.2~0.5㎜)
主な目的
・叢生(がたつき)を改善するためのスペース作り
・ブラックトライアングルの縮小
・上顎または下顎の前歯部を下げる
・歯の幅を調整する
などが挙げられます。
ではなぜ歯がしみるのか?
虫歯で穴が開いている以外でしみる原因は「象牙質知覚過敏症」です。
歯は層になっており、表面はエナメル質で覆われており、
その中に象牙質があり、一番深いところに神経があります。(下図)
![](https://i0.wp.com/gototatsuya.com/wp-content/uploads/2020/09/BD5CA5D3-301C-4813-85B9-48AF98C4F480_4_5005_c.jpeg?resize=380%2C226&ssl=1)
歯茎が下がり歯の根本(歯の根の部分にはエナメル質はなく象牙質に覆われています)が
むき出しになっていたり、
エナメル質が部分的に欠損し、象牙質が露出してしまうと
冷水等の刺激が加わった時
象牙質には微細な管が神経に向かって走っており、
その管の中は水分で満たされており、
その水分が振動し、神経まで刺激を伝達し、
一瞬電流が走るような痛みを与えます。
これが歯がしみる仕組みです。
簡単にいうと象牙質が露出すると歯がしみます。
IPRをするとなぜ歯がしみる人がいるのか?
IPRの器具は2種類あり、一つはノコみたいな形をしています(下の写真)
![](https://i0.wp.com/gototatsuya.com/wp-content/uploads/2017/03/IMG_0313-e1489736655140-224x300.jpg?resize=224%2C300&ssl=1)
それを、使う時に摩擦による熱がエナメル質、象牙質まで加わると刺激となり、
歯がしみることもあります。
その場合は、回転数を低くして摩擦を減らしたり、
もう一つの器具を使用したりします。
もう一つの器具は、こういった細いバーを使用します。(下の写真)
![](https://i0.wp.com/gototatsuya.com/wp-content/uploads/2020/09/866DB60D-6538-4BDE-88E2-55FF6A8F276E_4_5005_c.jpeg?resize=252%2C225&ssl=1)
この器具を使用する際に
歯に熱が加わるのを防ぐために器具からお水が出ます。
もともと知覚過敏症がある方は、
そのお水だけでもしみます。
ましてや歯に振動や摩擦力が加わると刺激になって歯がしみます。
そういう時、必要な場合は局所麻酔をして行います。
IPRは、目的が違っても歯のどこを削るかは同じです。
歯と歯が一番接するところ=一番エナメル質が厚いところを削ります。
歯の中で一番薄いエナメル質を有するのが下の前歯です。
下の前歯は、薄いところでは0.2ミリしかエナメル質がないところもあります。
しかし一番厚いところは0.8ミリあります。
IPRで1本の歯に対して削る最大量は0.25ミリです。
削る量としては約4分の1になるので
IPRによる虫歯や知覚過敏は起きにくいはずです。
もしIPRをしている最中にしみてしまったら
遠慮なく手をあげて教えて下さい。
上記に記したようにしみる原因に対して何か対処できるはずです。
※あくまでも当院での対処法になります。
ディスキング中または後に歯がしみた場合は
担当の先生に相談して下さい。