こんにちは。

今回のブログは、『ディスキング中に歯がしみた時の対処法について』です。

 

まずディスキング(IPR)とは、ある目的のために歯と歯の間を薄く削ることです。(0.2~0.5㎜)

 

主な目的

 

・叢生(がたつき)を改善するためのスペース作り

・ブラックトライアングルの縮小

・上顎または下顎の前歯部を下げる

・歯の幅を調整する

 

などが挙げられます。

 

ではなぜ歯がしみるのか?

 

虫歯で穴が開いている以外でしみる原因は「象牙質知覚過敏症」です。

歯は層になっており、表面はエナメル質で覆われており、

その中に象牙質があり、一番深いところに神経があります。(下図)

 

 

歯茎が下がり歯の根本(歯の根の部分にはエナメル質はなく象牙質に覆われています)が

むき出しになっていたり、

エナメル質が部分的に欠損し、象牙質が露出してしまうと

冷水等の刺激が加わった時

象牙質には微細な管が神経に向かって走っており、

その管の中は水分で満たされており、

その水分が振動し、神経まで刺激を伝達し、

一瞬電流が走るような痛みを与えます。

これが歯がしみる仕組みです。

 

簡単にいうと象牙質が露出すると歯がしみます。

 

IPRをするとなぜ歯がしみる人がいるのか?

  

IPRの器具は2種類あり、一つはノコみたいな形をしています(下の写真)

 

それを、使う時に摩擦による熱がエナメル質、象牙質まで加わると刺激となり、

歯がしみることもあります。

その場合は、回転数を低くして摩擦を減らしたり、

もう一つの器具を使用したりします。

もう一つの器具は、こういった細いバーを使用します。(下の写真)

 

 

この器具を使用する際に

歯に熱が加わるのを防ぐために器具からお水が出ます。

もともと知覚過敏症がある方は、

そのお水だけでもしみます。

ましてや歯に振動や摩擦力が加わると刺激になって歯がしみます。

そういう時、必要な場合は局所麻酔をして行います。

 

IPRは、目的が違っても歯のどこを削るかは同じです。

歯と歯が一番接するところ=一番エナメル質が厚いところを削ります。

歯の中で一番薄いエナメル質を有するのが下の前歯です。

下の前歯は、薄いところでは0.2ミリしかエナメル質がないところもあります。

しかし一番厚いところは0.8ミリあります。

IPRで1本の歯に対して削る最大量は0.25ミリです。

削る量としては約4分の1になるので

IPRによる虫歯や知覚過敏は起きにくいはずです。

 

もしIPRをしている最中にしみてしまったら

遠慮なく手をあげて教えて下さい。

上記に記したようにしみる原因に対して何か対処できるはずです。

 

※あくまでも当院での対処法になります。

ディスキング中または後に歯がしみた場合は

担当の先生に相談して下さい。