矯正は長い治療期間がかかる歯科治療です。矯正治療をご検討中の方は、「どんな風に治療が進んで行くのだろう?」とご不安を感じることもあるかと思います。

マウスピース矯正(インビザライン)、ワイヤー矯正(舌側矯正、表側矯正)など、歯科矯正には複数の矯正方式が存在します。

矯正方式は違えど、基本的な流れに沿って治療を進めていく点はどの矯正も同じです。

今回は、「矯正治療の基本的な流れ」をご説明します。

■矯正治療の基本的な流れ


1.初回相談(無料の矯正カウンセリング)


初回相談とは、クリニックが実施する無料の矯正カウンセリングです。

カウンセリングでは、患者様の現在の歯並びのお悩み、「こうなりたい」と思う理想の歯並び、希望する矯正方式など、話したいことをすべて、歯科医師に伝えてください。

また、矯正の痛み・自分に合った矯正方式・矯正にかかる期間や費用など、矯正治療に関するご不安・ご質問があるときは遠慮なく歯科医師に尋ねましょう。

患者様からのお話をお伺いした後は、歯科医師からそれぞれの患者様に合った矯正方式や治療計画、費用についてのご説明が行われます。ご説明を聞いてご納得できましたら、そのまま同じ日に次の精密検査へ進みます(※)。

(※)次回の来院時に精密検査を行うクリニックもあります。



2.診察・精密検査


口腔内を診察し、併せて、口腔内写真を撮影します。必要に応じ、レントゲン撮影も行います。

クリニックによっては撮影に別途、料金がかかることもあります。当院では口腔内写真、レントゲン撮影は無料です。

—–

ここまで(1&2)が初日に行う内容です。カウンセリング・診察・精密検査は30分程度で終了します。次回のご来院の際は精密検査の結果を基に、それぞれの患者様に適した治療計画・費用についてご説明します。

3.診断結果、および、治療計画・費用のご説明


初日から2~3週間後(※)、再度、ご来院いただき、診断結果、および、治療計画・費用をご説明します。

{インビザラインは「クリンチェック」で歯の動き方、仕上がりの歯並びの見た目を確認できます}

ワイヤー矯正の場合、診断結果や治療計画のご説明の際は実物の石膏模型を用いて歯の動き方をお伝えすることが多いです(アナログ式矯正治療)(※)。

(※)クリニックによってご来院の間隔、ご説明方法が異なります。



インビザラインは石膏模型ではなく、独自の矯正シミュレーションアプリ「クリンチェック」を用いてご説明を行います。シミュレーション結果はモニターに映し出され、矯正中の歯の動き方や仕上がりの歯並びの見た目を患者様ご自身の目で見て確認できます(フルデジタル式矯正治療)。

歯の動き方や仕上がりの歯並びの見た目を見ることで、患者様が思い描く理想の歯並びとシミュレーション結果がどれだけ近いのかを確認でき、矯正治療を受けるかどうかの判断に役立ちます。

インビザラインのフルデジタル式矯正治療、および、クリンチェックについて詳しくはこちらのブログにてご説明しています。併せてご参照ください。

—–

歯科医師から治療計画・費用のご説明を聞き、患者様のご納得・ご同意を得られましたら正式に矯正治療を開始します。

矯正治療を開始する前には、患者様の歯並びや口腔内の状態に応じて以下の前準備を行います。

4.前準備(むし歯・歯周病治療、抜歯、歯型取りなど)


・むし歯・歯周病治療(必要な場合)

むし歯・歯周病などの病気が見つかったときは、矯正を始める前にお口の病気の治療を行う必要があります(※)。

(※)むし歯・歯周病は他院での治療になります。



・抜歯(必要な場合)

抜歯が必要な場合は抜歯を行います(※)。

(※)他院での抜歯になります。



・歯型取り

前準備では歯型取りを行います。それぞれの方に合ったワイヤー装置・マウスピースを作製するためには患者様の歯型が必要です。

ワイヤー矯正はシリコンや石膏を用いて歯型を取ることが多いです。インビザラインではシリコンや石膏は使わず、デジタルスキャナーを用いて短時間(数分程度)で歯型取りを行います。

5.矯正装置の装着 治療開始


歯型取りで得られたデータを基に、患者様の歯並びや顎の形に合ったオーダーメイドの矯正装置(ワイヤー装置、マウスピース)が作製されます。装置がクリニックに届きましたら、矯正治療のスタートです。

ワイヤー装置は固定式です。原則として、矯正が終わるまで装置は外せません。

インビザラインは取り外し式のマウスピースを用います。しっかり歯を動かすために、矯正中は1日20時間以上、マウスピースの装着が必要です。

6.矯正治療(動的期間:歯を動かし、歯並びを整える期間)


矯正治療では装置で力をかけて少しずつ歯を動かし、歯並びを整えていきます。

矯正期間は患者様によって異なります。前歯のみの部分矯正は数ヶ月~10ヶ月程度、全体矯正(全顎矯正)は1年半~2年半程度の期間がかかります(※)。

(※)目安の期間です。



矯正期間中は定期的に通院していただきます。

ワイヤー矯正は原則として1ヶ月に1回通院いただき、お口のチェック、および、装置の調整(ワイヤーの締め直し)を行います。

インビザラインは2~3ヶ月に1回程度の通院でOKです。通院の際は歯並びやお口の状態をチェックし、次の通院までに用いるマウスピースをまとめてお渡しします。

7.保定(整えた新しい歯並びを身体に馴染ませ、歯の後戻りを防ぐ期間)


矯正期間が終わった後は、保定に入ります。保定とは、矯正治療で整えた新しい歯並びを身体に馴染ませ、歯の後戻り(歯並びが元に戻ってしまうこと)を防ぐための期間です。

保定期間中はリテーナーと呼ばれる保定装置を装着し、新しい歯並びを身体に馴染ませると共に歯の後戻りを防ぎます。リテーナーは最初は1日中装着していただき、数か月後は20時間、半年後は12時間、というように少しずつ装着時間を減らしていきます。

保定期間は患者様によって異なります。目安として、保定にかかる期間は矯正期間と同程度です。矯正期間が1年半の場合は保定期間も1年半程度、2年半の場合は保定に2年半程度かかります。

保定期間中は3ヶ月に1回ほどのペースで通院いただき、歯並びが後戻りしていないか、むし歯・歯周病にかかっていないかなど、歯並び・お口の状態をチェックします(※)。

(※)保定期間中の通院ペースは患者様によって異なります。



8.保定終了 メンテナンスへ


保定期間が終了しましたら、すべての矯正治療が完了です(お疲れさまでした!)。

矯正は終了ですが、整えた歯並びを維持するため、保定が終わった後もリテーナーを装着し続けるのが望ましいです。リテーナーの装着に加え、保定終了後は定期的に通院していただき、メンテナンスを受けることで歯並びとお口の健康を維持しやすくなります(※)。

(※)メンテナンスは希望制です。患者様のご希望に

応じ、保定終了後のメンテナンスを行います。



【矯正治療に関するご質問・ご不安がある方はお気軽にご相談ください】


矯正治療を受けるにあたり、矯正中の痛み・目立ちやすさ・矯正期間・費用など、ご心配な点も多いかと思います。

後藤達也矯正歯科では矯正治療の相談を受け付けています。相談費は無料です。

舌側矯正やインビザラインなど、矯正治療に関するご質問・ご不安がある方はお気軽にご相談ください。Zoomによるオンライン矯正相談も承っております。

カウンセリングでは患者様のお悩み・ご希望をじっくりとお伺いし、日本矯正歯科学会の矯正認定医がお1人お1人の方に適した矯正方法をご提案させていただきます。
後藤達也矯正歯科

歯科医師


⇒院長の経歴はこちら