「歯並びを良くするための〇つの方法!」 「歯医者に行かずに、歯並びを整える裏ワザを公開!」

ネット上のまとめサイトなどを見ていると、上記のような言葉が目に入ることがあります。

サイトには、歯科矯正をせず、日頃の習慣で歯並びを良くする、などの方法が。

はたして、歯科矯正をせず、患者様がご自身の日頃の習慣で歯並びを良くすることは、可能なのでしょうか?

今回は、「自力で歯並びを改善する方法」について、お話しします。

■自力で歯並びを改善する方法はあるの?


◎自力で歯並びを改善するのは、基本的に不可能です(8歳頃までの小さな子どもを除く)


結論から、お答えします。

8歳頃までの小さな子どもを除き、自力で歯並びを改善する方法は、基本的にありません。

ネット上では「(9歳以上の未成年者や大人の)歯並びを良くするための習慣」などを見かけることがありますが、いずれも、医学的・歯学的な根拠に乏しい、エビデンスのない情報が多いです。

{ご自身で歯に力をかけることはしないでください}

サイトの中には、市販のスポーツ用マウスピースを使ったり、指で押して歯を動かす、などの情報も。スポーツ用マウスピースを使って歯を動かそうとしたり、指で歯を押すことは、絶対にしないでください。過剰な力が歯にかかり、歯・歯周組織に重大な障害が生じるおそれがあります。

◎顎の骨が未成熟でやわらかい8歳頃までであれば、日頃の習慣や悪い癖の改善により、自力で歯並びの改善にアプローチできる場合も


基本的に、自力で歯並びを改善する方法はありません。ただし、8歳頃までの、顎の骨が未成熟な小さな子どもは例外です。8歳頃までであれば、以下のような、日頃の習慣や悪い癖の改善により、ある程度、自力で歯並びの改善(=顎の健全な成長)につなげられる可能性があります。

[8歳頃までの小さな子ども限定 歯並びを良くする(顎の健全な成長をうながす)ための習慣]

・口で呼吸せず、鼻呼吸する ・会話と食事以外のときは、常にお口を閉じ、正しい位置に舌を置く
・(上の前歯の裏側の歯ぐきに舌先がふれるようにする)
・のどの筋肉のみを使って、“ごっくん”と飲む
・全体の歯を使って、しっかり噛む
・舌癖(ぜつへき)、頬杖、爪を噛むなど、歯並びを乱れさせる原因になる悪い癖をやめる


■8歳頃までしか、自力で歯並びの改善ができないのはなぜ?


◎9歳頃を過ぎると顎の骨格や歯質が固まり始め、自力での歯並びの改善は基本的に不可能になります


個人差はありますが、永久歯の犬歯が生えてくる9歳頃になると、顎の骨格が固まり始めます。

顎の骨格が固まり始めると、いくら、自力で、日頃の習慣を行って頑張っても、歯の動きは顎のサイズに限定されてしまいます。顎が小さければ、顎のサイズ以上には、歯を広げられません。

顎の骨格に加え、歯は、年齢を重ねるごとに歯質が厚く、硬く固まっていきます。歯根も硬くなっていくため、顎の骨格が大きく口腔内にスペースの余剰があったとしても、日頃の習慣で、自力で歯を動かすのは困難です。

上記の理由により、9歳頃を過ぎたら、日頃の習慣で、自力で歯並びを改善するのは、基本的に不可能です。

■歯並びを乱れさせる悪い癖・悪い習慣をやめることが重要


◎歯並びを乱れさせる悪い癖・悪い習慣を控えましょう


9歳頃を過ぎ、顎の骨格や歯質が硬くなると、日頃の習慣で、自力で歯並びを改善するのは基本的に不可能です。

歯並びに対し、ご自身でアプローチする場合は、まずは、以下のような、歯並びの乱れをひき起こす原因になる、悪い癖・悪い習慣をやめることが重要になります。

[歯並びの乱れをひき起こす原因になる、悪い癖・悪い習慣]

・口呼吸
・舌癖(上下の前歯のあいだに舌を出す、前歯の裏側を舌で押すなどの悪い癖)
・頬杖
・爪を噛む
・誤った飲み方(頬の力で押し込むように飲む、顎をしゃくって飲む、など)
・誤った噛み方(上下左右など、特定の歯の箇所ばかりで食べ物を噛む、など)


■自分自身では悪い癖・悪い習慣をやめるのが難しい…そんな場合は?


◎8歳頃までに行う小児矯正「咬合誘導」や、お口の筋肉トレーニング(MFT)により、歯並びを乱れさせる悪い癖・悪い習慣の改善にアプローチできます


歯並びを乱れさせないためには、悪い癖・悪い習慣をやめることが重要です。とはいえ、無意識にしていることも多い悪い癖・悪い習慣を、自力でやめるのは難しいもの。

大人でも難しい、悪い癖・悪い習慣の改善。大人でも難しいのですから、小さな子どもはなおさら、自力での悪い癖・悪い習慣の改善は困難なケースが多いです。

自分自身では悪い癖・悪い習慣をやめるのが難しい…そんな場合は、歯科医院で行う以下のような方法にて、歯並びを乱れさせる悪い癖・悪い習慣の改善にアプローチが可能です。

[歯並びの乱れに対する、歯科医院での治療内容]

・小児矯正「咬合誘導(こうごうゆうどう)」(8歳頃までの小さな子どもの時期限定)
・お口の筋肉トレーニング(MFT:口腔筋機能療法)
・歯科矯正(インビザライン、ブラケット矯正)

8歳頃までの小さな子どもの時期限定の小児矯正「咬合誘導」、および、お口の筋肉トレーニングについては、ブログにてご紹介しています。併せてご参照ください。

【歯並びの乱れに対しては、歯科矯正が第一の治療の選択肢になります】


歯並びの乱れに対しては、歯科医院での歯科矯正が第一の治療の選択肢になります。

歯並びの乱れを自力で改善するのは、基本的には不可能です。

顎の骨が未成熟でやわらかい8歳頃までの小さな子どもであれば、悪い癖・悪い習慣の改善により、自力で歯並びの改善にアプローチできる可能性があります。ただし、子どもが自分自身で悪い癖・悪い習慣を改善するのは、難しいケースが多いです。

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後藤達也矯正歯科

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