「矯正をしたいけど、この年齢じゃ、無理かなあ…」 「歯の矯正は何歳までできるの?」

矯正治療をご検討されるも、中高年以上の方の中には、「もう、年だから」という理由で矯正をあきらめてしまうケースが、しばしば、見受けられます。

年齢を理由に、歯の矯正をあきらめるのは、まだ、早いかもしれません。

今回は、「矯正の上限年齢」および「歯科矯正を行う上での、年代ごとのリスク・注意点」について、お話しします。

■歯の矯正は何歳まで可能?


◎歯科矯正に、年齢の上限はありません


歯科矯正に、年齢の上限はありません。

歯と歯周組織の状態が良ければ、何歳の方でも、歯の矯正を行える可能性があります。

年齢の上限はありませんが、歯科矯正を安全・精確に行うためには、それぞれの年代ごとのリスク・注意点に気をつけながら、矯正治療を進めることが重要です。

■歯科矯正を行う上での、年代ごとのリスク・注意点


◎3歳ごろ~未成年(18歳)の方


小さな子供~未成年の方は、途中で矯正治療をやめがちな傾向が見られます。

3歳ごろの乳幼児の小さな子供~未成年の方は、年齢に応じ、小児矯正の0期・1期・2期治療を行います。

子供~未成年の方は、ほぼすべてのケースにおいて、ご両親が矯正費用をご負担されます。

自分自身では費用を負担していないことに加え、子供~未成年の方は、大人の方と比べて、途中で矯正治療をやめがちな傾向が見られます。

中学生・高校生は、部活や受験勉強などで忙しくなり始めます。また、思春期特有の「矯正装置が恥ずかしい」などの考えも芽生え始め、しっかりマウスピースを装着しなかったり、定期通院をさぼってしまうことも。

子供~未成年の方が矯正を行うときは、ご両親と歯科医師と共に、二人三脚ならぬ“三人三脚”で最後まで矯正を続けるモチベーションを保つことが重要です。まずは、お子様自身が「なぜ矯正をするのか(矯正をする目的)」をしっかり理解することで、最後まで矯正を続けるモチベーションを保ちやすくなります。

◎5~8歳ごろまでの期間限定の小児矯正「咬合誘導」について


小さな子供の時期である5~8歳ごろまでは、お子様の、未成熟でやわらかい顎の成長をうながす小児矯正「咬合誘導」がメインになります。

咬合誘導は顎の骨が固まり始める9歳ごろになる前までの、期間限定の小児矯正です。

個人差はありますが、9歳ごろを過ぎると顎の骨が固まり始めるため、顎の成長をうながす咬合誘導が難しくなります。お子様の矯正をお考えの方は、8歳になる前に、できるだけ早めに、歯科医院を受診することをおすすめします。

◎12歳ごろ~未成年までの2期矯正では「顎の成長による歯並びの変化」に注意が必要


12歳ごろ~未成年までの時期は、成長にともない、顎の骨格が変化することがあります。

患者様によっては、顎の骨格が変化し、せっかく整えた歯並びがズレてしまうケースも。

上記の理由により、12歳ごろ~未成年までの2期矯正では、顎の成長が見られる場合は、一旦矯正を中止する場合があります。

矯正を中止した後、顎の成長が落ち着いたのを確認してから、再度、矯正を始めることで、歯並びがズレるリスクを低減できます。

■20代・30代の方


◎忙しい中でも、最後まで矯正を続けるモチベーションを保つことが大切


20代・30代は働き盛りの年代です。

仕事で忙しく、ついつい、マウスピースを装着しなかったり、定期通院を休んでしまうケースもあるかもしれません。

仕事で忙しい方も多いかと思いますが、忙しい中でも、最後まで矯正を続けるモチベーションを保つことが大切です。

■中高年の方


◎歯周病、歯根破折、骨粗しょう症など、歯・歯周組織の状態を健全に保てないケースが少なくありません


40歳以上の中高年の方は、以下のような理由により、歯・歯周組織の状態を健全に保てないケースが少なくありません。

[歯・歯周組織の健康をおびやかす、様々な要素]

  • ・歯周病
  • ・歯根破折
  • ・むし歯
  • ・骨粗しょう症
  • ・糖尿病
  • ・喫煙習慣
  • ・がんなどで受ける放射線治療


上記の要素のうち、特に、歯周病には注意が必要です。歯周病が進行して中程度~重度になると、炎症によって歯ぐきや顎の骨が溶け、歯がガタガタになっているケースが数多く、見受けられます。

歯周組織の状態が悪化している方に歯周病治療をせず、矯正(=歯・歯周組織に力をかける)を行うと、歯・歯周組織に致命的なダメージを与えてしまうおそれがあるため、注意が必要です。

【矯正に関するご質問・ご不安がある方は、お気軽にご相談ください】


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後藤達也矯正歯科

歯科医師


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