透明で目立ちにくいマウスピースを装着し、歯並びを整えていくマウスピース矯正。

近年では、取り外し式であることの手軽さ・矯正中の食事制限の少なさ、などの理由から、マウスピース矯正に多くのメリットを感じる方が多いです。

手軽に歯の矯正を始めやすいメリットがある一方、マウスピース矯正では

  • ・矯正中のルールを守らない
  • ・ケアを怠る

などが原因で、歯並びがあまり改善されないケース(マウスピース矯正の失敗)も。

今回は、「マウスピース矯正(インビザラインなど)が失敗しやすい人の特徴」として、マウスピース矯正で避けたい行動を6つ、ご紹介します。

■マウスピース矯正で避けたい行動6つ


以下のような行動は、マウスピース矯正を失敗させやすくなります。

1.マウスピースの装着時間(1日20~22時間以上)を守らない


インビザラインなどのマウスピース矯正では、「1日につき、マウスピースを20~22時間以上装着する」ことをルールとして定めている場合が多いです。

マウスピースの装着時間を守らなかった場合、しっかりと歯が動かず、理想の歯並びを得られない可能性があります。

2.マウスピースを装着したまま、水以外の飲食物を飲む・食べる


{マウスピースの変形・破損のリスク}

マウスピース矯正では、水以外の飲食物を飲食するときはマウスピースを外さなければなりません。

マウスピースを装着したまま、水以外の飲食物を飲む・食べると、食べ物の硬さや温度などが原因でマウスピースが変形・破損するおそれも。

変形・破損したマウスピースをそのまま装着すると、しっかり歯が動かない場合があります。

{歯とマウスピースの密着性が弱まるリスク}

マウスピースの変形・破損のリスクに加え、マウスピースを装着したままの飲食(水以外)は歯とマウスピースのあいだに食べかすが挟まりやすいです。

歯とマウスピースのあいだに食べかすが挟まっていると、歯とマウスピースの密着性が弱まり、しっかり歯を動かしにくくなります。

3.きちんと歯を磨かない・歯間清掃をしない


マウスピース矯正などの矯正中や、矯正時以外に関わらず、食後&就寝前はきちんと歯を磨くことが重要です。

マウスピース矯正の矯正中、

  • ・食後&就寝前の歯磨きを怠る
  • ・適当な歯磨き・誤った方法の歯磨きで済ませてしまい、きちんと歯を磨かない
  • ・歯間清掃をしない

上記のようにセルフケアが不足すると、むし歯・歯周病が進行しやすくなります。

矯正中にむし歯・歯周病が進行した場合、歯・歯周組織の状態によっては、矯正を一旦中止し、むし歯・歯周病治療を行わなければならなくなるケースも。

矯正を中止してむし歯・歯周病治療を行った場合、歯の矯正にかかる全体の治療期間が延びてしまうのです。

全体の治療期間が延びると、矯正の治療計画を練り直さなければならなくなるなど、矯正が失敗するリスクが高まる可能性があります。

4.マウスピースの洗浄不足(特にマウスピースの内側の洗浄不足)


歯磨き・歯間清掃によるセルフケアを行うのはもちろんのこと、マウスピース矯正の矯正中はマウスピースも洗浄する必要があります。

マウスピース矯正の矯正中、特にマウスピースの内側の洗浄が不足すると、マウスピースの内側に歯垢・食べかすなどの汚れが残りやすいです。

マウスピースの内側に歯垢・食べかすが付着した状態が続くと、石灰化した歯垢や食べかすが原因で、歯とマウスピースの密着性が弱まる可能性があります。

歯とマウスピースの密着性が弱まるとしっかり歯が動かず、矯正治療に悪影響が出る可能性があります。

5.矯正中、定期的に通院しない


マウスピース矯正の矯正中、定期的に通院しなかった場合、以下のような悪影響が生じる可能性があります。

[マウスピース矯正の矯正中、定期的に通院しなかった場合に生じ得る悪影響の例]

  • ・次に用いるマウスピースをお渡しするタイミングがずれてしまい、治療計画どおりに矯正を進めにくくなる
  • ・歯科医師による定期的な歯並びのチェックができないorチェックの間隔がずれてしまい、治療計画どおりに矯正を進めにくくなる
  • ・むし歯・歯周病などのお口の病気やお口の異常を発見しにくくなるor発見が遅れる

6.矯正中、マウスピースを外したとき、ケースの中にマウスピースを入れない


マウスピース矯正の矯正中は、食事・歯磨きの際にマウスピースを外す必要があります。 矯正中、マウスピースを外したときは、専用ケースの中にマウスピースを入れることが重要です。

マウスピースを外したとき、ケースの中にマウスピースを入れないと、以下のような悪影響が生じる可能性があります。

[マウスピース矯正の矯正中、マウスピースを外したとき、ケースの中にマウスピースを入れない場合に生じ得る悪影響の例]

  • ・マウスピースを落とす+マウスピースを踏んづけてしまい、マウスピースが変形・破損する
  • ・マウスピースを失くしてしまう
  • ・食事・歯磨きの後にマウスピースの再装着を忘れてしまう(よくある、マウスピース矯正の矯正中のうっかりミス)

【矯正中のルールを守り、理想の歯並びを目指しましょう】


今回は、「マウスピース矯正の矯正中に避けたい行動6つ」をご説明させていただきました。

マウスピース矯正をスムーズに進めるには、矯正中のルールを守ることが大切です。

矯正中のルールを守りながら、日々の積み重ねで矯正期間を一歩ずつ進み、理想の歯並びを目指しましょう。
後藤達也矯正歯科

歯科医師


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