見えない矯正の費用、実は取り戻せるかもしれません


「大人のマウスピース矯正は美容目的だから、医療費控除なんて無理でしょ?」──そう思い込んでいる方は意外と多いものです。ところが、噛み合わせや咀嚼の問題があると診断された場合、見えない矯正でも控除の対象になる可能性があります。本記事では、適用3条件・年収別の還付金シミュレーション・確定申告の具体的な手順まで、安城市で矯正を検討中の方が家族に数字で説明できるよう整理しました。



見えない矯正でも医療費控除が適用される3つの条件【国税庁基準】


大人のマウスピース矯正であっても、以下の3条件を満たせば医療費控除の対象として認められる場合があります。国税庁の通達をもとに、順を追って確認していきましょう。


条件①:不正咬合・咀嚼障害など「機能的な問題」が認められること


控除の可否を分けるのは「治療目的かどうか」という点です。叢生(歯の重なり)や開咬、反対咬合、交叉咬合など、噛み合わせや咀嚼に支障をきたす不正咬合がある場合がこれに当たります。


「見た目が気になる」という動機で受診したとしても、精密検査の結果、咀嚼障害や顎関節への負担が見つかるケースは珍しくありません。ポイントは「機能的な問題が客観的に存在するかどうか」という一点。受診のきっかけが審美的な悩みであっても、それだけで控除対象外になるわけではないのです。


条件②:歯科医師が「治療の必要性あり」と診断していること


自己判断ではなく、歯科医師の診断が前提となります。ここで重要になるのが、初診時の精密検査です。


当院ではCTと口腔内スキャナー(iTero)を用いた精密検査を実施しており、骨格や噛み合わせのズレを三次元データとして記録しています。「不正咬合により咀嚼機能に問題がある」と客観的に示せれば、医療費控除を申請する際の判断材料になり得ます。安城市で矯正を検討中の方は、まず精密検査でご自身の状態を把握するところから始めてみてください。


条件③:年間の医療費合計が10万円(または所得の5%)を超えること


1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費の合計が10万円を超えれば申請可能です。総所得200万円未満の方は「所得の5%」が基準となりますが、矯正費用が80万円であればいずれの基準も大幅に上回るため、この条件がネックになることはほぼないでしょう。


見落とされがちなのが、家族分の医療費を合算できるという仕組み。配偶者やお子さんの通院費・薬代なども含められるため、矯正費用と合わせることで控除額がさらに大きくなる可能性があります。


デンタルローンを利用する場合は、ローン契約を結んだ年に治療費の全額が控除対象になる点も押さえておきましょう。分割で返済中であっても、信販会社が立て替えた時点で「支払い済み」と扱われます。


「美容目的だから対象外」は誤解?大人の矯正と医療費控除でよくある勘違い


ネット上にはさまざまな情報が混在しているため、正確な判断が難しくなりがちです。とくに多い3つの誤解を整理しておきましょう。


誤解①:マウスピース矯正は「審美」扱いで控除対象外?


「インビザラインは審美歯科だから控除されない」──SNSでこうした声を目にすることがあります。しかし控除の可否を左右するのは装置の種類ではなく「治療目的かどうか」という点。ワイヤー矯正でもマウスピース矯正でも、不正咬合の改善を目的としていれば同じ基準で判断されます。装置の違いが控除の可否に影響することはないため、その点はご安心ください。


誤解②:大人の矯正は子どもと違って全額自己負担?


子どもの矯正は発育段階の治療として比較的スムーズに控除が認められやすいことから、「大人は対象外」と思い込んでしまう方も少なくありません。ただし、年齢で線引きをする規定は存在しません。大人であっても噛み合わせの機能的な問題が認められれば控除対象になり得ます。お子さんの歯科検診をきっかけにご自身の歯並びが気になり始めた方も、まずは検査を受けてみる価値があるでしょう。


誤解③:診断書がないと申請できない?


確定申告の際に診断書の提出が義務付けられているわけではありません。ただし、税務署から照会があった場合に備えて手元に用意しておくと安心です。


診断書に盛り込んでおきたい内容は大きく3つ。①病名(不正咬合の種類)、②機能障害の内容(咀嚼障害など)、③治療の必要性──これらが記載されていれば、控除の正当性を客観的に示す資料として役立ちます。


矯正費用80万円で還付金はいくら?年収別シミュレーション


「控除が使えるとして、実際にいくら手元に戻るの?」──ここが一番気になるポイントかもしれません。矯正費用80万円を前提に、共働き世帯を想定した試算をご紹介します。


還付金の計算式と年収400万円台・500万円台の試算結果


計算式はシンプルです。


医療費控除額 = 支払った医療費 − 保険金等の補てん − 10万円


矯正は保険適用外のため補てん金は通常ゼロ。費用80万円なら控除額は70万円です。ここに所得税率を掛けた金額が還付される仕組みになります。


年収の目安課税所得の目安所得税率所得税の還付額住民税の軽減額(一律10%)合計メリット
約400万円約200万円前後10%約7万円約7万円約14万円
約500万円約300万円前後20%約14万円約7万円約21万円

住民税は翌年度の税額から差し引かれるため実感しにくいものの、家計へのインパクトは見過ごせない金額です。


共働き世帯はどちらが申告すべき?所得税率で判断する基準


共働きの場合、夫婦のどちらで申告するかによって還付額が変わります。原則は「所得税率が高い方で申告するほうがお得」。


たとえば妻が年収400万円(税率10%)、夫が年収500万円(税率20%)であれば、夫名義で申告するだけで所得税の還付に約7万円の差が生じます。生計を一にしていれば家族の医療費を合算できるため、お子さんの歯科治療費などもまとめて税率の高い方で申告するのが合理的です。


見えない矯正と表側矯正の費用差は還付額にどう影響するか


マウスピース矯正はワイヤー矯正より費用が数十万円ほど高くなる傾向があります。仮に表側矯正60万円、マウスピース矯正80万円とすると、控除額は50万円と70万円。税率20%の方であれば還付額の差は約4万円です。


費用が高い分だけ控除額も大きくなるため、「見えない矯正は高いから損」とは一概に言えません。仕事中に目立ちにくいメリットと合わせて、トータルで検討してみてください。


診断書の取得から確定申告まで──医療費控除の手続きと必要書類


「控除が使えるとわかっても、手続きが面倒そう……」と感じる方は少なくないでしょう。ここでは、診断書の取得から確定申告までの流れを時系列で整理します。


診断書の発行手数料の相場と、控除対象に含まれるかの確認


矯正歯科で治療目的の診断書を発行してもらう場合、手数料の相場は3,000〜5,000円程度です。ただし、この発行手数料自体は医療費控除の対象には含まれません。税務上のルールとして割り切る必要があります。


当院では、CTや口腔内スキャナー(iTero)の精密検査データをもとに診断書を作成しています。検査に裏付けられた内容であれば、税務署への説明資料としても信頼性が高まります。発行は治療開始前でも治療中でも対応可能ですが、確定申告の時期を見据えて早めにご相談いただくとスムーズです。


確定申告に必要な書類一覧と準備のタイミング


必要な書類を一覧にまとめました。


  • 医療費控除の明細書(国税庁サイトからダウンロード可能)
  • 源泉徴収票(会社員の場合、年末調整後に勤務先から届く)
  • 矯正歯科の領収書(原本の提出は不要、ただし5年間の保管が必要)
  • デンタルローンの契約書控え(ローン利用時のみ)
  • 交通費のメモ(公共交通機関の通院費は対象、自家用車のガソリン代は対象外)

年末〜翌年1月中に準備を始めておくのが理想的。領収書をまとめておくだけでも、申告時期(翌年2月16日〜3月15日)に慌てずに済みます。ふるさと納税を利用している方は、医療費控除との併用で控除上限額に影響が出る場合があるため、事前にシミュレーションしておくことをおすすめします。


会社員がe-Taxで申告する具体的な流れ


普段は年末調整だけで確定申告に縁がない、という会社員の方も多いのではないでしょうか。医療費控除は年末調整では処理できないため、ご自身での確定申告が必要になります。


e-Taxならスマホ1台で手続きが完結します。おおまかな流れは以下のとおりです。


1. マイナンバーカードを用意し、マイナポータルアプリをインストール

2. 国税庁の確定申告書等作成コーナーにアクセス

3. マイナポータル連携で源泉徴収票の情報を自動取得

4. 「医療費控除」を選択して明細書の内容を入力

5. 内容を確認して送信すれば完了


マイナポータル連携を活用すれば入力の手間がかなり軽減されるため、初めてでも想像以上にスムーズに進むはずです。なお、セルフメディケーション税制との選択適用となる点にはご注意ください。併用はできないため、還付額が大きい方を選びましょう。


医療費控除を見据えた見えない矯正の始め方──精密検査で適用可否がわかる


無料相談と精密検査で「控除対象になるか」を確認する方法


ここまでお伝えしてきたとおり、医療費控除が適用されるかどうかは「治療目的と認められるか」にかかっています。そしてその判断を下すのは、ご自身ではなく歯科医師の診断です。


安城市の後藤達也矯正歯科では、日本矯正歯科学会認定医の院長がCTと口腔内スキャナー(iTero)を用いた精密検査をもとに、噛み合わせの状態を客観的に評価しています。検査結果から「不正咬合として治療が必要かどうか」を確認できるため、医療費控除の適用可否を見極める材料にもなり得ます。


「自分の歯並びは控除の対象になるのだろうか?」という疑問は、ネットで調べるだけでは解消しきれない部分もあるもの。まずは無料相談で現在の状態を確認し、精密検査で数値やデータとして把握してみてはいかがでしょうか。「これだけ還付されるなら始めよう」と家族に説明できる根拠が、検査結果の中から見つかるかもしれません。


よくある質問


Q. 大人の矯正治療は医療費控除の対象になりますか?

A. 噛み合わせの異常や咀嚼障害など、機能的な問題の改善を目的とする場合は大人でも対象になる可能性があります。見た目の改善のみが目的の場合は対象外となるため、歯科医師の診断を受けて治療目的であることを確認しておくことが大切です。


Q. 矯正費用80万円の場合、還付金はいくらくらいですか?

A. 年収や家族構成によって異なりますが、年収400万円台で所得税・住民税を合わせて約14万円、500万円台であれば約21万円程度の軽減が見込めます。家族の医療費を合算するとさらに控除額が増えるケースもあります。


Q. 歯列矯正は美容目的でも医療費控除の対象になりますか?

A. 純粋に見た目だけを改善する目的の場合は対象外です。ただし、見た目が気になって受診した結果、不正咬合や咀嚼障害が認められれば治療目的として控除対象になる可能性があります。


Q. 子どもの矯正は医療費控除の対象になりますか?

A. 子どもの歯列矯正は、成長過程における歯並びや噛み合わせの改善を目的としているため、一般的に医療費控除の対象として認められやすい傾向にあります。保護者の方の確定申告で申請が可能です。


Q. デンタルローンで分割払いにした場合も医療費控除は使えますか?

A. 利用可能です。デンタルローンでは信販会社が治療費を立て替えた時点で「支払い済み」と扱われるため、ローン契約を結んだ年に治療費の全額が控除対象となります。なお、ローンの金利・手数料部分は対象外です。


歯科医師


後藤達也矯正歯科

院長/歯科博士/日本矯正歯科学会認定医

後藤達也

▶ 監修者プロフィール

経歴
H.09 朝日大学歯学部卒業
朝日大学歯学部歯科矯正学講座 入局
H.10 朝日大学歯学部大学院入学
H.14 朝日大学歯学部大学院卒業
朝日大学歯学部歯科矯正学講座 非常勤講師
みずの歯科医院 勤務
ファミリー歯科医院(矯正担当)
美合歯科クリニック(矯正担当)
H.19 後藤達也矯正歯科開院
資格・所属学会
日本矯正歯科学会 認定医
後藤達也矯正歯科

歯科医師


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